駅やデパートなどで頻繁に使うエスカレーターですが、片側をあけるのは常識化していますね。
地域によって左右のあける側が違っていて、関東が”左立ち右あけ”関西が”右立ち左あけ”との認識がありますが、その境界線はどこになるのでしょう?
また世界各国はエスカレーターの片側あけなど存在するのでしょうか?
今回はエスカレーターの片側あけについて詳しく説明していきます。
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エスカレーター左右違う理由!万博説なども関係?
エスカレーターの片側あけは基本的には禁止されていますが、現状ではしっかりと根付いてしまっています。
なぜ片側あけは根付いてしまったのか、左右違う理由なども含めて解説して行こうと思います。
片側あけの発症は大阪万博
日本で始めてエスカレーターの片側あけを呼びかけたのは大阪で、3年後に大阪万博が控える1967年から始まりました。
当時の立ち位置は”右立ち左あけ”になり、世界で最も根付いている方法を取り入れたことになります。
1970年の大阪万博でも徹底的に呼びかけを行い、大阪を中心にエスカレーターの”右立ち左あけ”が根付きました。
諸説ありますが、元々エスカレーターの片側あけの発祥地はイギリスとされていて、第二次世界大戦中の地下鉄混雑の緩和のため考案されました。
その後、アメリカ、カナダ、オーストラリア、中国、台北、韓国などの主要都市に広がり、立ち位置は全て”右立ち左あけ”になります。
日本ではよく関東が”左立ち右あけ”、関西が”右立ち左あけ”と認識されることが多いですが、実際は”左立ち右あけ”の方が多く、世界的には”右立ち左あけ”が多いので珍しい部類に入リますね。
現在、完全な”右立ち左あけ”派は大阪府、兵庫県、和歌山県の3府県となっていて、特に大阪府の人は立ち位置に厳しく”左立ち右あけ”の人に対して
- 「見かけるとイライラする」
- 「世界から見たら恥ずかしい」
- 「よそ者やと思う」
などの手厳しい声も挙がってしまうので、上記の3府県に行く際は気をつけた方が良さそうですね。
日本で左立ち右あけが多い理由は?
大阪中心にエスカレーターの片側あけが広がりましたが、1980年末から東京でも片側あけが始まりました。
しかし東京では、なぜか最初から”左立ち右あけ”になっており、その他多くの都道府県も”左立ち右あけが常識”になりました。
なぜ東京が”左立ち右あけ”文化になってしまったのか、明確な理由はなく自然発生的に広まったとされています。
自動車道の影響?
左側歩行のなごり?
自動車道の影響?
国道や高速道路などの自動車文化に馴染んだことが影響してるという憶測があります。
”左立ち右あけ”は、自動車道と同じ左側通行で右側は追い越し車線の役割として認識されてしまったのかもしれませんね。
ある意味エスカレーターは乗り物っぽいので違和感も無いと思いました。
左側歩行のなごり?
現在歩行者は右側通行とされていますが、昭和24年(1949年)に道路交通取締法を改正するまで歩行者も自動車と同じ左側通行でした。
町を歩く人を見ても左右どちらも歩いている人が多く、あまり右側通行を気にしている人は少ないことがわかります。
ですので左側を歩いていた頃のなごりが残っていて、それが影響している事も考えられますね。
普通に考えれば大阪の文化がそのままやってくる事と思いますが、東京やその他で自然発生的に”左立ち右あけ”文化が根付いてしまったのは面白いですね。
しかし左右どちらにしても、片側あけは故障と歩行者の事故の原因になると言われていますので推奨はされていません。
将来的には「左右どちらを空ける?」などという問題そのものが無くなっていくかもしれませんね。
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エスカレーター左右の境界線は京都で世界基準は名古屋?
エスカレーターの左右どちらを空けるかは、地域によって異なることがわかりましたが、左右の境界線などはあるのでしょうか?
各都道府県の現状と、エスカレーターの片側あけをしない場所など詳しく解説して行こうと思います。
左右の境界線は京都?
エスカレーターの左右の境界線になっている場所は京都だと言われることが多いです。
京都のエスカレーターは基本的に左立ち右あけの割合が高いのですが、左右両方とも片側あけを行います。
先頭の人が左右どちらにいるかで、後方の人がそれに合わせるスタイルをとっていますね。
京都のエスカレーターが両方の片側あけをする理由は、全国や世界各国からの観光客が多く、皆それぞれの乗り方をするためです。
ですので京都では頻繁に左右が入れ替わる様子が伺うことが出来ます。
左右どちらをあけるかは関東と関西で分けられるものでは無く、関西や九州も”左立ち右あけ”の県は多くありますので、京都が境界線とは一概に言うことはできないですね。
各都道府県のエスカレーターは?
- ”右立ち左あけ”の割合が多い都道府県
- ”左立ち右あけ”の割合が多い都道府県
- 片側あけしない都道府県
右立ち左あけの割合が多い都道府県
エスカレーターの”右立ち左あけ”の割合が多い都道府県は、
秋田県、福井県、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、徳島県、香川県、佐賀県、長崎県、宮崎県、沖縄県になります。
その中でも大阪府、兵庫県、和歌山県の3府県は、特に割合が高い結果が出ています。
やはり大阪中心に”右立ち左あけ”の文化が浸透していったことがわかる県が多いですね。
左立ち右あけの割合が多い都道府県
大阪府、兵庫県、和歌山県の3府県以外の都道府県では”左立ち右あけ”の割合が高く、日本の約8割のエスカレーターが”左立ち右あけ”になっている事もわかっています。
東京が”左立ち右あけ”になった事がキッカケで、新幹線などの交通機関により影響を与えました。
特に茨城県と福岡県では”左立ち右あけ”の割合が高い結果になっていましたね。
片側あけしない都道府県
エスカレーターの片側あけはしない都道府県もあり、名古屋に至っては80%がエスカレーターに立ち止まることがわかっています。
愛知県自体は”左立ち右あけ”の文化ですが、名古屋に関しては2004年からエスカレーターの歩行禁止をアナウンスするなどして、このような結果を出すことに成功しています。
また福島県の郡山や和歌山県、岡山県などでも片側あけはしない文化が根付いていて、そういった場所は点々と存在しています。
片側あけの発祥国と言われているイギリスでも、現在は片側あけをしない国に変わっていますので、今後は世界各国でも「エスカレーターは立ち止まるもの」という認識が広がって行くのではないかと感じます。
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まとめ
エスカレーターの左右どちらを空けるかは、地域によって大きく異る事がわかり、旅行などの際には気をつけて行きたいと思いました。
関東と関西で左右が分かれているとの声がありましたが、そんな事もなく地域ごとにバラバラな結果になったことは驚きましたね。
また世界では”右立ち左あけ”の方の割合が高いこともあり、大阪や兵庫などは外国の人にとって混乱せずに済みそうですね。
エスカレーターの片側あけの発祥国であるイギリスの調査によると、片側あけをする時としない時では、意外にも片側あけをしない時の方が交通量が増したという結果がでました。
自分たちが普段行っている片側あけは、生産性と危険を考えると無意味な事なのではないかと感じましたね。
今後は本格的にエスカレーターに立ち止まらないと行けなくなる時代になると思うので、このような面白い現象も見れなくなるかもしれませんね。
参考
キーワードノート
タウンネット
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